いたのクリニック

 肝臓がんの治療

 肝切除、経皮的治療[ラジオ波熱凝固療法(RFA)]、エタノール注入療法(PEI)、肝動脈塞栓療法(TA(C)E)、肝動注化学療法(TAI)、全身化学療法、放射線療法、肝移植などがあります。
 治療法の選択に際しては、腫瘍側因子と肝予備能の両者を考慮し決定します。肝細胞癌は再発することが多く(多中心性発生や肝内転移)、腫瘍の局在や大きさ、数、背景肝の状況など、多くの要素が治療の効果、予後に影響を及ぼしますので、これらの治療法を組み合わせて治療を行います。

 肝切除
 確実な局所コントロールが期待できますが、侵襲が大きいため、肝予備能の不良な場合は適用されません。

 ラジオ波熱凝固療法(RFA)
 高周波電流による誘電加熱を利用して腫瘍を凝固壊死させます。複数の比較試験の結果、3年生存率がPEIに比べ有意に高いことが示されてます。
原則、最大径3㎝以下、病変数3個以下が適応です。手術に比べ低侵襲が長所ですが、腫瘍径、腫瘍数により適応に限界がある事、腫瘍近傍の血流により治療効果が不十分になる事があるなど短所もあります。

 経皮的エタノール注入療法(PEI)
 超音波ガイド下に細径針を用いて腫瘍内にエタノールを注入します。1病変に対して3~6回の治療が必要です。適応はRFAと同じで、低侵襲です。肝予備能による適応の制約が少なく繰り返し治療が可能ですが、腫瘍数、腫瘍径により限界があり、局所再発をきたす可能性があります。

 肝動脈塞栓療法(TA(C)E)
 複数の比較試験の結果、無治療に比べ生存期間の延長が得られることが示されました(Hepatology 2003;37:429-442)。腫瘍の栄養血管にカテーテルを挿入し、化学療法剤とリピオドールの懸濁液および塞栓物質(ジェルパートなど)を注入します。化学療法剤はアンスラサイクリン系薬剤、プラチナ系薬剤を用います。

 肝動注化学療法(TAI
 肝予備能が悪くTACE不能例、高度の門脈腫瘍栓を伴う例などに行います。肝動脈造影後間欠的 ( システムI ) に、または留置された動注リザーバーカテーテルを通じて薬剤(プラチナ系、5FU系)を投与します。

 全身化学療法
 遠隔転移を有する例や、手術、局所治療、TACEの適応のない進行例に対して施行されます。

 肝移植
 Milan基準を満たす症例が適応となります。脳死肝移植はドナー不足の問題があり、親族をドナーとして行われることが多いです。
Milan基準:
■腫瘍は単発で5㎝以下 もしくは、3㎝、3個以下
■血管浸潤を伴わない
■遠隔転移を伴わない

 放射線療法
 近年、陽子線や重粒子線治療が注目されていますが、まだ標準治療として確立するにいたっていません。

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