いたのクリニック

 システム‐Ⅰ

 これまで多くの症例に動注リザーバー療法を施行し、ある程度の治療成績は得ているものの、例えば最大腫瘍径が80mmを超えるような巨大肝癌は可能であれば腫瘍減量術を先行すべきと考えるが、中には外科的アプローチが困難な症例も存在する。
そこで、私は2000年に「システムーI」というオリジナルのリザーバーを考案した。システム-Iは留置カテーテルの中にもう1本マイクロカテーテルを挿入する皮下埋め込み式特殊リザーバーで、逆流防止弁付注入アダプターを導入しており、システム-I-1とシステム-I-2の2タイプがある。
図1

【 図1】


システム-I-1は右もしくは左の大腿から肝臓内にカテーテルを留置してside hole(サイドホール)を開け、マイクロカテーテルを side hole から留置カテーテルの外に出し、選択的に目標部位に薬剤を投与する。ピンポイントの薬剤投与が可能なため、著しく肝機能が低下する巨大肝癌でも治療可能となる。
システム-I-1をバージョンアップさせたのがシステムーI-2である。図2システム-I-1はカテーテルを肝臓内に留置するため、リプレイスの肝動脈には使用できない場合があった。
システム-I-2では左の上腕からカテーテルを挿入して大動脈内に留置させ、胸部付近で留置カテーテルに side hole を開けてマイクロカテーテルを出し、ガイドワイヤーを使ってリシェイプしながらマイクロカテーテルを肝動脈の中に導く。これにより腹部大動脈から枝分かれしているあらゆる動脈の深部までマイクロカテーテルを挿入することができる。
リザーバーを駆使した治療により、動注リザーバーが無効であった症例でCR(完全寛解)を得たり、30cm以上もある巨大肝癌で縮小傾向を認めた症例を経験している。
その後2004年にはアイエーコール®が発売され、治療成績の向上が期待されるようになった。当院では腫瘍占拠率の高い塊状型肝癌などの症例には、手術に先行してアイエーコール®とシステム-Iを組み合わせた治療を行っており、その有用性に手応えを得ている。


【 図2】



【システム-Iによりピンポイントで腫瘍部位に薬剤投与が可能となった】



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